【ご報告】 トークセッション&ミニライブ
「ゆるめて分かる?若者リアル」(勉強会vol.4) 

2016年2月21(日)横浜市(本郷台駅近く)の地球市民プラザにて、第4回勉強会を開催。
今の若者って? もはや正解はない? 大人は分類したがる?・・・色々な思考や視点が重なり合いながら、多彩なゲストとともに「若者の自己実現」について、収束を目的としないトークセッションをとなりました。

参加メンバーは、左から、佐塚玲子(当センター長)、若新雄純氏(コミュニケーション・プロデューサー)、矢野マイケル氏(YANO BROTHERS)、矢野デイビット氏(YANO BROTHERS)、渡部達也氏(若者の居場所づくり)、脇田英津子氏(株式会社 博報堂 こそだて家族研究所)、田口 努氏(横浜横浜 YMCA 総主事)。

オープニングロール 「Did you  know ? 」2.0

まずは、10年前にカナダの大学教授と学生が作成した動画の上映です。
成功とは?幸せとは? グローバルな視点での事実や、未来について
「Did you  know ? 」あなたは知っていますか?・・・と問いかけています。

トークセッション

ゲスト自己紹介に続き、トークセッションを開始。
現代の若者の多様性や、家族との関係、地域との関係についてのいろいな形があること。
経済格差や、教育格差の広がりにより難しくなった若者の自己実現を、後押しする方法があるとすれば、どんなことなのか?環境や、人とのつながりとは?若者とつながることとは?評価しないとは?今までの概念にとらわれず、社会に向き合い、活動されているゲストとともに、これからのヒントを探りました。

 休憩時間中会場の方に雲形のカードにセッションの感想や、ゲストへ質問を記入していただきました。たくさんの意見や質問をいただき、皆さんが真剣に参加されているのを実感。

 

ミニライブ (YANO BROTHERS)


幼少期に要保護児童としての経験を経て、自己実現を果たし、それぞれの仕事をもちつつ、兄弟でミュージシャンとして活動をするYANO BROTHERSのミニライブです。(この日は、弟のサンシローさんが薬剤師試験のため、お休みでした。)
「日本」と「アフリカ」をブレンドした“JAFRICAN”と呼ばれる独自の世界観を持つ音楽ジャンルを切り拓き、圧倒的な声量、天性の声、兄弟ならではのハーモニーによる、最高のJAFRICAN!なによりも音楽と歌詞で、二人の熱いハートが、直に伝わってくるライブでした。

対話の時間

ライブの後は、対話の時間に。
再度ゲストの方に登場いただき、会場からのトークセッションの感想、ゲストへの質問に、時間の許す限り答えていただきました。

「あるがままの自分であるためには?」という質問に環境からの機会や影響、恐れずに自分と向き合うこと、世代を超えて人の意見を聞くことなど各自の立場から意見を述べていただきました。

一緒に深く考え、悩んだり、理解したり、考えたりした質問、意見を寄せて下さった参加者の皆さんのお力により、熱い交流の時間となりました。最後にもう一度、YANO BROTHERSの歌でおひらきとなりました。

今回の大きな気づきとしては、
「支援する側」「される側」の関係性からの脱却がまず必要ということ。
そして自己の葛藤とも向き合うことが重要であること。情報化、パーソナル化が進む中、社会で、
地域で何が起こっているのか?を、老いも若きも正しくとらえ、一緒に考えることがより大切、ということでした。

閉会後も、多くの方が、みなさんから寄せられた多くの意見に目を通したり、最後まで会話や交流が続いた勉強会となりました。(いろいろな出会いもありました。)

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当日ご参加の皆様からたくさんの感想と質問をいただきました。
いくつか抜粋してご紹介させていただきます。

トークセッションについての感想 (抜粋)

  • 自己実現=何ものかになるのではない。親が生きてきた環境と、子ども達の生きる環境は違う。変わっていかなければならないと感じた。
  • 若者がこれからどう生きていくか、いろいろな立場から考えると、こんなにも考え方が違うのかと思った。自分が幸せだ。充実していると思えるような生き方をしたい。
  • 「~になれ」「~になれば○○だ」ではなく、「自分の好きなことをやれ」というプロセスこそが、自分が生きていてよかったと思う蓄積になる。という話を聞きながら、自分自身が「~になろう」「~にならなきゃ」という考えに囚われていたかもしれないと感じた。
  • 「出会いが、人生を加速させる」という言葉がとても共感できました。私の座右の銘にしたいと思います。
  • 世代が違うというか、環境がちがうと云うか、中々理解出来なかった。我々の場合は、まず教育。次に会社へ向かう時代、何が正解か分からない時代だと思う。
  • 「じゃあ自己実現(自己実際)にはどうしたら良いのか」というところまで議論をもっていって欲しかったが、とても有意義な考えさせる場をどうもありがとうございました。
  • “つながり”、“経験”が人を育てるとは、どなたの話からも必須である事がわかる。多様化・スピード化の時代、先を行く者が、その経験を生かし、若者の方々に“自分自身を知るすべと、環境を用意できたらと思う。
  • 普段生活している中で、思いもつかないこと、考えることが少ない内容が聞けてとても刺激になった。
  • 今自分が一人の人間としてどうなりたいか、生きていくのが自分らしいのか迷っている途中。それでも置かれている状況は自分の全てであることに疑いはないので、これから先、様々な人と関わりを持ち、影響を受け与えることの出来る人になりたい。

ゲストへの質問

Q: ニートのような社会の表側に出てきにくい人を「ゆるめる」ことで周りにどんな変化が現れますか?(現れましたか?)(女性 50代)

A: ニートの取り組みについてはまだまだ実験段階ですが、ニートという存在を、社会的な問題ではなくひとつの「現象」としてあつかっていくことが必要ではないかと考えています。
つまり、解決する問題ではなく、付き合っていく現象ではないか、ということです。ここで「ゆるめる」のは、若者とはこうあるべき、という硬直した考え方に対して、乱暴な言い方をすれば、そういうものもあって当然なのが社会、という許容度をつくることかな、と。
それはつまり、ニートだけの問題ではなく、障害者やセクシャル・マイノリティ、貧困層など、すべての「今、社会的に問題だとされているもの」にも当てはまると思うのです。「問題」だと思うから、弱者のように見えてしまい、差別が生まれる。でも、その「差」をなくすことなんて、なかなかできません。
だから、問題ではなく現象として、「差や違いはある」というものとして受け入れて、付き合っていける社会が必要なんじゃないかなと感じています。

Q: 学校や家で「自分のやりたいことを見つけなさい」と言われます。一応やりたい職業、進路は決まっているけれど、自分が生涯を通してやりたいことかどうかと言われる少し自信が無い気もします。どうやって見つけたら良いですか?(女性 10代(高校生))

A: 幼いころと違い、高校生になった今は、よく鏡を見ることと思います。それは他者から自分がどう見られるかを気にするように、気にできるようになったからですよね。でも、鏡は内面を映してくれません。自分のアイデンティティ、自分らしさを映してくれるのは他者の存在だと思うんです。いろんな人と出会うこと、特にこんな人になりたいな、こんな生き方をしたいなと思えるような人に出会うことで自分が本当はどんなことをやりたいのか、見えてくるように思います。

Q: やりたいことが見つからない人が増えているのでは?

A: 若者に限らず、「情報が多すぎて欲求が育つ前に流れて行ってしまう」という感覚を多くの人が感じているのではないでしょうか。やりたいかも?と思っても、他の情報が流れてきたり、調べてみたら大変そうだったり始め時がつかめなかったり。そのうちに最初の気持ちがしぼんでしまう。やりたいことがないのではなく、育たない。であれば、大切に育てる意識がカギになると考えます。例えば、自分の欲求を意識してメモし「見える化」する。食べてみたいケーキ、気になった本のタイトル、興味がわいたイベント、旅行先。流れて行かないように記録して、チャンスがあればとにかく一歩踏み出してみる。定期的に見返すと(もし一つも実行していなくても)自分はこんなことがやりたいんだなーと発見したり、偏ってるから広げたいなーと思うかもしれません。周りからも、それ面白そうだね!と拾い上げたり「じゃあ今いっしょにやろうよ!」と始め時を演出したり、「やりたい」を育てる働きかけは色々できると思います。

Q: やりたい事をやる子どもを支えていくのが、親として難しい(経済的な事を考えると…)。やりたい事はあっても努力してない場合はどうしたらいいのか。

A: 今回のセッションでは若者の定義が15~39歳ということでしたから、子どもは0~14歳と考えるならば、その世代の子どもはやりたいことには努力すると思いますし、実際、どの子もしています。ただ、それが実にくだらないこと、ばかばかしいことなので、大人が認めていないだけなんだろうと思います。大人から見て価値がなさそうなことでも、子どもたちが一生懸命やっているようなことには、実は大きな価値があると思うんです。

Q: 自分を知り、自分らしく生きていくためのに、大人が何を大切にすればよいですか?

A: 「コミュニティ*を大切にする」
私は1人ぽっちでは、私にはならない。コミュニティとの関わりの中ではじめて私が規定される。自分がいい感じでいられるコミュニティがあるなら、それを維持するために全力で働きかける。その姿を見て、恩恵を受けて育った子どもは、いずれその有難さに気づいて、行動できるようになると思います。*家族、血縁、地縁、学校や職場のつながりなど何でもいいので、自分が属する集団

Q: これからのシニア世代に期待される働き方とは?

A: 若者を含めて、つながりを強くもてる社会的な連帯を創る働きが、わたしたちシニア世代にも大切なのだと思います。つながりをつくる機会として、音楽や文化、スポーツ、趣味の世界など、自分が自分らしく表現できる場、自分がやりたいこと、やりたかったことに熱中し、それを共感できる仲間、そのことに共感してくれる人々が、豊かに存在できる社会を創ることは、シニア世代にも若者にも必要であるし、その様な場を作るのに、シニア世代がひと肌ぬぐことが求められているのかもしれません。(自分に言い聞かせています。)

A: 「年取るっていいなぁ」と、下の世代から憧れられる生き方をしてくだされば、働いて無くてもいいと思います(笑)。初々しさを忘れず、世の中に目を向けていることって、けっこう難しそうです。

 

Q: 受けつがれていく差>社会的(公的)なシステムだけではなく、企業はどんなことができるのでしょうか?

A: 単に金銭的な利益を生むことだけが目的ではなく、その企業の特性を生かして社会の課題に向き合うことは、その企業の使命、ミッションを明確にし、働く社員のモチベーションも上がると思います。これからは、企業市民として多様性を受け入れるため、未来の共生社会を創る重要な社会資源として、行政が制度を作る前に、活用できる場の創出など、先駆的な取り組みができればと期待しています。加速度的に、「ネットにつながり、人とつながらない家族」が増加し、つながりを必要としない人々が増加してる中で、改めてどの世代に対してもつながりを構築する仕掛け、しくみが意識的に必要なことを強く感じさせられた機会でした。

多くの皆様にご来場いただき、本当にありがとうございました。

日 時:2016年 2月21日(日)13:30-16:30
会 場:あーすぷらざ(神奈川県立地球市民かながわプラザ)5階 映像ホール
協力:横浜YMCA