「まことさんは、、
まだあの家での生活を続けています」
そう監督からの報告を聞いた私は安心しました。
自身が発達障害と診断を受けた時、親戚にも同じ境遇の人がいることを知った坪田監督は気づいたらカメラを片手にまことさんの家を訪ねていたそうです。そして、場を共有し、考えを分かち合うことで、まことさんのどこまでも純粋な感性に、そのありのままの姿に惹かれ自身も一緒にフレームに収まることを始めました。
「私は、あの桜の木が満開になったところで映画も終わりになると思っていたのに、途中で切られてしまい…」と、参加者が話すと、、
「実は僕もあの瞬間はあなたと同じことを考えていまして…あー切るんだー」との監督の返答に、参加者全員が大爆笑^ ^
また、ある参加者は、スタジオクーカ見学の際にまことさんが描いていた1枚の絵を見て「すべてまことさんの家から見えるものばかりだった。本当にあの家が大好きなんだ。だからあの家に住み続けたいのだと想像した」と言われていました。
療育、教育、支援には、三つの要素が必要であるという言葉があります。
一つはサイエンス。二つはアート。三つはテクノロジーです。その中でも今の時代は、アートの重要性を今一度問い直す必要があるのではないかと私は考えました。
今回「だってしょうがないじゃない」というひとつの映画を介して顔見知りではない方々との対話はとても新鮮であり、有意義な時間でもありました。そこで語られた「人とは」「生きていくとは」「人は変化する」「人と人はつながっていく」と言った、まさにインクルーシブの背景にある重要なキーとなる考え方をこれからどうやって培っていけば良いのでしょうか。