ごぼうハウス都筑

1 プロローグ – 静かな風景の中に お菓子づくり・クリスマス特別教室 2 身体との対話 車椅子のこと つくること 出会い、学ぶ 3 普通の計り…? お菓子づくりのコミニュケーション バトン エピローグ – ふたたび、お菓子づくり教室

プロローグ静かな風景の中に

市営地下鉄グリーンライン「センター南」駅から大通りを渡り、住宅街をしばらく行くと果樹や畑が広がります。細い路地を川方向に曲がると三角屋根に丸い窓の建物、「ごぼうハウス都筑」が見えます。
空が広がり、先ほど通り抜けてきた街をずっと遠くに感じる、静かな場所です。

施設の前には駐車場スペースがあり、地域交流室の入り口まではなだらかな広いスロープです。
晴れた日は近くのグループホームから、散歩の途中に車椅子で寄る人も。

ごぼうハウスには、誰でも利用できる地域交流室と、販売用のパンやケーキを製造する厨房があります。
地域交流室には、ケークサレや種類豊富なパウンドケーキを、お茶やコーヒーと一緒に楽しむことができるスペースがあり、施設名のごぼうを使ったお茶やカフェインレスコーヒーなど、ノンカフェイン派の皆さんにうれしいメニューもあります。

製造しているパンは、ケーキ類やプリンと一緒に、センター南駅や都筑区役所で出張販売。
そのほかに、横浜市市庁舎で開催する「街パン」や企業スペース、各所イベントでも販売しています。

パウンドケーキ150円〜、飲み物100円〜。親切なお値段で楽しめます。
3種類から選べるケークサレセットは、プチケーキと飲み物が付いて250円(2020年12月現在)。こちらはベーコンときのこがたっぷり入った「きのこ」。ほんのり温めてサービスされるケークサレは、具材の食感も楽しくやみつきです。

お菓子づくり・クリスマス特別教室

「今日は絞り出しクッキーをつくりましょう。材料は小麦粉やバターなど、皆さんがいつもつくっているパンやケーキとあまり変わりませんが、作業工程が少なく、ずっと簡単です。」(お菓子づくり・鈴木先生)

クッキーの絞り方を説明する、鈴木先生(左)。

ごぼうハウス都筑では、施設内でお菓子づくり教室を開催し、皆さんの日頃の仕事に役立てています。
この日は午前の部と午後の部に分かれて開催です。

「各ボールに残った材料は残さず最後まで入れること。」(鈴木先生)

午前チームが焼いた甘いクッキーの香りが残る厨房で、先生の手は止むことなく作業が進みます。

「生地を切るようにしながら、しっかりと混ぜていきましょう。」(お菓子づくり・鈴木先生)

その傍ら、スタッフの皆さんが様々な材料を計量します。

本日、スタッフの皆さんは鈴木先生のアシスタントです。生地を混ぜる橋本さん(右)。
窓の向こうに残る紅葉。低い日差しがいっそう冬らしい午後です。
デコレーション用のホワイトチョコレートを湯せんで溶かす、小浪さん。

混ぜてみたい人はいますか?の質問に「はい」と声が。
声の主は加瀬さん、先生が誘導しボウルとホイッパーを手渡します。
しばらく攪拌してコツを得ると、手の動きがスムーズになりました。

私は全盲です、とお話しする加瀬さん。
普段、パンやケークサレをつくるときは、材料の計量も担当しています。
どのように計量するのか、方法を伺うと「計りが教えてくれますよ。」とのこと。

教えてくれる計りですか?
どんな計りなのでしょう?

のちほどご紹介します。

この記事を書いた人

N

日頃、ひとりは建築設計を仕事にしていて、もうひとりはアートワークをしています。ややこしいので、ColabusウェブサイトではまとめてNです。頭文字みたいで推理小説風なところがお気に入り。Nを水平方向に反転するとキリル文字のИ(発音は /i/ )、意味は[そして]。私たちは皆さんとColabusをつなぐ、ささやかな接続詞になれることを願っています。