colabusの横顔 03 “都筑ハーベスト”

水路のこと

畑の中を水路がめぐり、野菜を洗った水も流れて土地を潤します。

なにか棲んでいますか?とうかがうと、今はまだ水が流れるだけのようです。

感じいるように水路を見つめる小林さんは、ビオトープに造詣が深く、自然界へ眼差しを向けています。

「いつかこの水路で、生物が棲みつくようなところをつくれたら良いなと思っています。」

水路にかかる渡し。
農業用水が水路に流れていきます。
少し前まで、ここにはみなさんのログハウスがありましたが、農業用水の整備工事に伴い解体しました。
「行政がおこなうことは、行政にしっかりまかせる。大事なことですね。」(副理事長・甲野さん)

地域とのかかわり

作物の中には、ほかの福祉施設やまちづくりに取り組む活動組織とのかかわりによって、作付けしているものもあります。

小麦の栽培は、地域のNPOと連携する「都筑こども小麦部」という活動によるものです。

「ゆめかおり」という強力粉の品種ですが、都筑ハーベストでは化学肥料を使用しないため、
タンパク質の量が少なくなり、数値を計ると準強力粉、または中力粉に近くなります。

収穫した小麦は地域の学校給食で“すいとん”に調理され、子どもたちの食育に役立てられています。

「ゆめかおり」は2020年11月に子どもたちが種を蒔きました。
立派なネギ。小麦採取後の麦わらは、畝に敷き込み利用します。
指で麦わらをつまんでみると中は空洞のいわゆる「ストロー」、植物って面白いですね。
こちらはニンニク。

ニンニクは、ほかのNPOの活動に協力して栽培しています。
ある程度までこの畑で育てたあと場所を移し、水耕栽培で大きく育て収穫し、知的障害のある人たちの就労に役立てようとする試みです。

都筑ハーベストの畑では、一般参加できる収穫体験も行なっています。

この日は二組の家族が小さなお子さんと一緒に、秋ジャガ・大根・小松菜などの収穫体験に訪れていました。

これまでワークショップ形式でイベントとして開催していましたが、感染症拡大によりできなくなりました。

「インスタグラムで、収穫に来てください、と告知したところ、家族連れの小さなグループの参加が増えました。転勤族のご家族や越してきたばかりの人たちが、地域コミュニティを探す感覚で来て、楽しんで帰ります。地域を意識した、小さなスケールの活動にシフトした感じですね。」

この変化は小林さんたちにとって、うれしいことのひとつでした。

大根も収穫体験OK、数種類が混在。
虫食む小松菜は、小さな雑草たちと共存中。
ジャガイモ。
2020年は台風の影響がなく、通常は年明けに収穫するブロッコリーを年内に出荷しています。
どこからか逃げ出した向日葵が12月に咲いています。

この記事を書いた人

N

日頃、ひとりは建築設計を仕事にしていて、もうひとりはアートワークをしています。ややこしいので、ColabusウェブサイトではまとめてNです。頭文字みたいで推理小説風なところがお気に入り。Nを水平方向に反転するとキリル文字のИ(発音は /i/ )、意味は[そして]。私たちは皆さんとColabusをつなぐ、ささやかな接続詞になれることを願っています。