colabusの横顔 01 “marine blue”

7月に横浜市の新市庁舎の3階にオープンした〝ふれあいショップ marine blue〟さんにお話を伺いました。お店のこと、商品のこと、これからのことなど、深いお話を伺うことができました。

清水 龍男 理事長 伊澤 和弥 センター長 ワーキングセンター 根橋 達治 施設長 社会就労センターのぞみ(他2施設) 鈴木 透 施設長 麦の丘(他2施設) 石黒 究人 支援係長 麦の丘 横浜市健康福祉局障害自立支援課就労支援係 コラバス 〝marine blue〟にパンを納品されている 社会福祉法人 白根学園さん 〝marine blue〟の運営をされている 公益財団法人 横浜知的障害者育成会さん 今回のインタビュー登場人物



1 ふれあいショップ〝marine blue〟の今

コラバス

〝marine blue〟のオープンから一月半経ちました。今の率直な感想をお聞かせください。

伊澤さん

まだカフェ部門しか開いていませんから、続いて売店部門も設けなくてはと考えています。

オープンまでに、色々と準備できていないところがいっぱいあったんです。〝marine blue〟は市役所への入口にもなっている3階にあります。6000人もの職員の方々が、どういうふうにお店を見ているのかすごく知りたいし、ニーズについてもすごく知りたいです。変えていかなくてはならない事が多すぎて、正直この一ヶ月ちょっとは、三振だなって思っています。

コラバス

野球で言う三振のことでしょうか?

伊澤さん

はい。
打てないなーって。思っていたものができていないし、それがお客様のニーズと合っていないなって。
何が合ってないのかを探している、模索している状態です。

コラバス

なるほど。
今日は深いお話を順番にお伺いできたらと思います。まずお店をオープンするまでの取り組みに関してのお話を伺いたいと思います。

現在、〝marine blue〟の商品をつくっている白根学園さんとはどのように出会われたのでしょうか?

伊澤さん

私が白根学園さんと出会ったのは、〝ららぽーと〟で行われた農福連携のイベントでした。我々が野菜を売っていて、そのとなりで白根学園さんがクッキーを販売していました。その際、根橋さんから「良い商品なんです!職員も試行錯誤してレシピ開発を行い、味も抜群なんです!」と伺いました。私たちも普段から機会があれば、福祉施設さんの作られている商品を食べていますが、白根学園さんの商品を実際に食べてみると、とてもしっかりした商品だという印象を受けました。

コラバス

いろいろな作り手候補のなかから、白根学園さんを仕入れ先として選定されたポイントを教えてください。

伊澤さん

私たちは商売として〝ふれあいショップ〟の運営をしていますので、利益を出すことも大切です。メニューや価格を決めていくなかで、白根学園さんには仕入れ値を「お勉強していただいている」と思っています。はじめ、いろんな大手のパン屋さんからも試しに仕入れてみたりしました。やはり大手企業は、早いし形もしっかりしていて値段も適性でした。その三点を基準に考えた時、白根学園さんがどこまで我々の要望に近づけてくれるかをお願いしました。結果、合格点でした。本当によくやっていただいています。

コラバス

パンは白根学園〝麦の丘〟の石黒さんがご担当ですね。

伊澤さん

度々、試作品をつくっていただいたりする中で、石黒さんからは楽しく取り組む姿勢が伝わってきます。消極的な方が多い中で、ガッツがあるめずらしい若者です。

石黒さん

ありがとうございます!はじめてお会いした際に伊澤さんは「うちは福祉業界の商社だから」とおっしゃったんです。

伊澤さん

はい、言いました。

石黒さん

「福祉同士を繋げ、福祉と農業・酪農を繋げていく橋渡しが出来たら」と。個人的にもとても興味があり、やってみたいなぁと感じました。

marine blue と 農福連携

伊澤さん

今回、ふれあいショップを運営するにあたり、我々には地産地消というテーマがありました。農業サイドからは〝はまぽーく〟ソフトクリーム、福祉サイドからは、先ほどの背景を踏まえ白根学園さんの作るパン。一緒にできればと考えました。メニューにあるホットドッグは、農福連携がカタチになったものだと思っています。

コラバス

農福連携の新しい形を、以前から育成会さんが目標として持っていて、今回の〝marine blue〟で実現できたということでしょうか?

清水理事長

平成4年からずっと続けてきた横浜市障害者農業就労援助事業がベースにあります。形がずいぶんと変わって来たけれど、やっぱり農業・酪農を手放したくないという思いがあって、チャンスを待っていたところもあります。〝marine blue〟でやっと新しい形で農業と繋がったかなという想いがあります。

コラバス

ホットドッグに使われているソーセージとソフトクリームについてお聞きします。

伊澤さん

ソーセージの原材料となる豚肉〝はまぽーく〟は泉区にある〝横山養豚〟が中心となっている“はまぽーく組合“が、ソフトクリームは戸塚区にある〝肥田牧場のアイス工房メーリア〟さんがつくっています。

コラバス

先ほどお話にあった、これまでに取組まれてきた横浜市障害者農業就労援助事業について教えてください。

伊澤さん

障害のある方の訓練を農業分野で取組んでいます。横山養豚と肥田牧場には障害者の方々を雇用していただいたんです。それをきっかけにして、深くつながりを持つようになりました。〝はまぽーく〟をつくられたり、ソフトクリームをはじめたりと、農家が活性化していく時期に一緒にいたものですから、20〜30年のお付き合いがあり、今回のお店では自然と「是非一緒に!」となりました

コラバス

サンドウィッチなどに使っている野菜についても地産地消ですか?

伊澤さん

いいえ。現状では、コストや種類が偏るという課題もあるので、今は市場から仕入れています。今後は横浜の農家や野菜を作っている福祉施設の方々とネットワークを作りながら、使う機会を作りたいと思っています。


次は 「〝marine blue〟の雇用について」

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