【ご報告】伝わる・動かすファシリテート~視点と体系的手法を学ぶ~(勉強会vol.9)
2018年11月4日(日)、リスト関内ビルにて「第9回勉強会」を実施しました。
参加者は、スタッフ、外部申し込みの方を含め17名。
「伝えているつもりが、相手の反応がイマイチ」
「ただの集まりを、生きたチームに変えるには、何が必要なの?」
そんなモヤモヤから生まれた企画です。目の前の業務から離れ、内部でチーム作りについて考え、語り合う場と時間を作ることも必要でした。
そんな課題を、ファシリテーションの視点と、ワーク体験を通して気づきを促してくださったのが、当センター理事でもある加留部 貴行(かるべ たかゆき)さん。
▼「なぜ私たちはわざわざ集まるのか」
一人でできることと、できないことがある(一人の限界と孤独)
▼「準備不足で難解なプロセスに取り組もうとしていないか」
ファシリテーションは「司会」ではなく、どちらかと言うと「裏方」
「準備」「対話」「可視化」「観察」できてる?
▼根っこは「自己開示できる」場づくりと「参加感」
出番と役割を引き出すのがファシリテーション
▼「話すことをゆるされている」状態とは…
「話すこと」×「聴くこと」=対話
互いが同じ位、聴いて話せば、最大公約数のアウトプットが!
▼ワーク>共有体験:「流れ星」の絵を描いてみる
同じ説明を受けても、絵に書くと表現は様々。
「意味が通じて初めてモノになる」
個性であれば、それは良いが、「伝える」「伝わる」という点では、理解と工夫が必要。
全員が同じ絵を描いてもらうためには、どう伝えたらいいのだろう。
▼Youtube:ある県庁職員の変革の話 (TED×Fukuoka)を鑑賞
後半は、佐賀県庁の職員、円城寺 雄介さんが予算ナシ、知識ナシ、賛同する人ナシの、ないごとずくしから、3年かかって、救急車の到着時間を短縮させる仕組み(情報共有ツールのipad導入)をつくった話。県職員でありながら、救急搬送に同行し直接見聞きしたことで、問題発見と強い変革意識をもち、身近な協力者から理解を広げ、実現に至ったそのプロセスを語っていました。
(本題からズレますが、医療やIT化の進んだ日本で、救急車が電話だけで搬送先のリアルタイムの現状を確認していたことに驚きです)
▼「これからを語ろう」
あなたは「伝える」ことによって、何を「動かす」ことにつなげたいですか?
前半の講義やミニワークの理解を受け、各グループ3,4人でそれぞれのこれからを語り合いました。
生きたチームを動かすために、ファシリテーションの手法を使って、実際の活動の場でどうしていきたいかを話し合い、終了となりました。
▼参加者の感想
- 基本的な合意形成の話を改めて確認できた。言葉のもつ力、イメージを再認識させられました。
- 「対話を通じての場作り」は、自分の職場に照らしてみて、最も必要なものと思い、参考になりました。参加動機としては、ファシリテーションの技法を知りたかったからであるが、ベースとなる「支援と自発性」「自分がどう変われば協力してもらえるのか」「情熱をもって伝え共感をえる」など納得することが多くありました。
- 1番印象に残ったことは、1つのイメージを複数人で共有することの難しさです。グループワークの中でお題として出された流れ星の絵を描いたとき、たった4つの要素でも人によって全く書き方が異なることが分かりました。自分の中にあるイメージが周りと違うということには、共有してみなければ中々気付くことができないように思えます。しかし、そのイメージの違いが例えば人間関係に歪をもたらしたり、作業効率を低下させたりするということは大いにありうることだと感じました。反対に、具体的なイメージを共有しようとすることで個性や多様性を押さえつけてしまうのも時には良くないことです。どこまで共通のイメージを持つのかということも難しいなと思いました。