子ども・若者の育ちと自立を支える人材育成セミナー 育つチカラ・生きるチカラを地域がエンパワする! 2024 【開催しました】
第1回 2024年2月16日
児童期・青年期の「孤立」がもたらす「生きづらさ」
講師:NPO法人 PIECES理事/社会福祉士
斎 典道 (さい よしみち) 氏
「支援」よりも「関わり=市民性」で優しい間を広げる
どこにも相談できる人がいない、どこにも助けてくれる人がいない、どこにも居場所がない子ども・若者たちの増加。人を頼る術もわからず、ひとたび孤立すると自分を大切にする気持ちが萎み、ますます抜けられない孤立のループ。人から大切にされる経験の不足が成長後にまで心身に及ぼす、計り知れない影響。そんな子どもたちに対してそばにいる大人が、”doing”(行動)に対して評価するのではなく“being”(ありのまま、存在そのもの)を受け入れ大事にすること、「市民」として関わり続けることが生きるチカラのエンパワに大きなカギとなることを、講義から学びました。講師の斎氏は「市民性」というキーワードを使い、参加者同士の対話から出てきた多くの疑問にも、言葉を選びつつ真摯に答えて頂きました。参加者からは、子どもとの関わりを見直す機会になった、自分の活動の意味が改めてわかったとの声が寄せられました。
第2回 2024年3月6日
「あそび」(体験型プログラム)が生みだす地域のつながりと子どもの社会性
講師: NPO法人ハンズオン埼玉理事/岡山県真庭市立中央図書館長
西川 正 (にしかわ ただし)氏
子ども主体の遊び・学びの場をまちに取り戻す
子どもの頃好きだったことは何ですか?そんなワークから始まったセミナー第2回。講師の西川氏は埼玉のNPOの活動に加えて岡山の図書館長として、ワクワク参加したくなるイベントを数多く仕掛けながら、子どもたちを地域の中でどういう大人に育てたいのか、学校関係者とも議論を重ねます。大人の監視から解放された子どもの主体的「自治」に基づく「遊び」は、試行錯誤の経験や考える力、想像力、コミュニケーション力、自己効力感など「生きるチカラ」を学ぶ場の宝庫ですが、そんな時間が現代の子どもたちの生活から追いやられている……。西川氏の講義は私たち大人の価値観・子育て観を大きく揺さぶるものでした。
講義に続くミニ対談では、プレイパークの活動を経て「駄菓子屋のおばちゃん」として活躍する山崎由恵氏も加わりました。「道徳(ルール)」よりも「倫理」を子どもたちに伝えることが大事という話には深く頷かされました。
第3回 2024年3月19日
当事者と地域社会が一丸となって!子ども・若者の社会的自立を考える
講師: NPO法人 場作りネット副理事長
元島 生(もとしま しょう)氏
「助ける」ではなく支えられる者同士「助かり合う」
居場所がない、家に帰れない…そんな時、駆け込んできて理由を問われずに安心して泊まれる場所、いろんな人が役目を持って輝ける場所、そんな希望を取り戻せる「場づくり」の活動を続ける講師の元島氏。講義では、虐げられた人たちの生きづらさの現状をお話し頂きました。支援者として「助ける」ではなくお互いに「助かり合う」という新たなキーワードは、第1回、第2回の講義とも通じるものでした。誰もがエンパワされるまちを目指し止まることのない取組みを続ける元島氏の活動の根っこに流れるあたたかさに包まれ、触発され、参加者の対話も熱を帯びました。第1回、第2回に続き、自らの活動に生かしたい、新しい取組みを始めたい、という感想をたくさん聞くことができました。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。