青いパン誕生裏話
色が特徴的な青い食パンにたどり着いたお話を伺えますか?
〝marine blue〟という店名なので、ブルーのパンを置けたらいいなと思ったんです。愛知県のある会社さんに相談したところ、ロットが1万個なら作れると言われましたが、在庫を抱えるのは難しいと考えました。そこで白根学園さんにご相談し、青いパンをつくっていただきました。本当に頑張っていただきました。
青を出すために使われている〝バタフライピー〟は、白根学園さんが見つけたのですか?
伊澤さんから教えていただきました。
元々はハーブティーに使われている〝バタフライピー〟のシロップやパウダーを購入し、ゼリーを作ってみたりしました。白根学園さんからは、人工の色は使いませんよって。体に良い自然のものを使いたい、そういうプライドがあるので、そこはちゃんとしよう、と。なので〝バタフライピー〟のパウダーをご紹介しました。思い通りの色のパンができてきた時には「流石だなぁ」と思いました。
思い通りでしたか?
いい色でした!味も良かった!試作している時に、利用者さんたちが青いパンにびっくりされたそうですよね。
色をつける経験は初めてでしたし、焼く前は出来上がりより濃い青なんですよ。小麦粉はみんな白いので、そんな中に「青いのがいる!」「何してんの?どーした?」「何しちゃったんだい?」って。
今回のように一緒に新しいものを作って発信していくことが、テーマの一つにあります。常に人がやらないことをやるようを意識しています。白根学園さんには私の願いを叶えて頂いたことにとても感謝しています。
たくさんパンの試作をしました
試作過程はいかがでしたか?
最初は、食パンのオーダーではなかったんです。形は丸っこいのが良いって言われたので丸くして。大きさの違う丸いパンを幾つもつくりました。
最初はホットドック用のパンに使うことを考えていたんです。
焼き色がついちゃって茶色くなっちゃったりとか。切ると青いんですけど表面は普通のパンだったり。
色がつかないように工夫したら、今度はシナっとなっちゃったり、焼きが足りなかったり。かなり試行錯誤していただきました。
型に入れて食パンを焼いたらすごく綺麗な青が出たので、別の試作を持っていくついでに、食パンこんな色でした〜!ってお見せしたら、これいいんじゃないの、、と。
そういう過程があって、最終的に青い食パンを作っていただくことになりました。
開発期間はどのくらいですか。
言われてポンと作って持って行くと「こうだね」っていうのを繰り返して。一ヶ月、二ヶ月くらいでしょうか。マーブルも作りました!
マーブル、かわいくていいですね!
サンドイッチを購入していただいた人からは「青いのが入ってたんだけどなに?」って。聞かれることがあります。
お客様とそういう会話が生まれていいな、と感じます。働いている障害のある方とお客さんがお話しできるのもすてきです。
ホットドックのパンは〝センチ指定〟
こんなパンやあんなのを作って欲しい、と言われ、ホットドックの長さを何パターンもセンチ指定されて試作したこともありました。
ありましたね。
機械で成型しているわけではないので、焼き上がり具合やふくらみで長さに差が出てくるんです。センチ指定をされて、どうやって作って行こうかなぁと思いながら取り組み、やっと今のサイズに落ち着いて一安心しました。先日、納品したら「ちょっと、長くなりましたね」と店長さんから言われました。利用者さんがひとつひとつ伸ばしてつむいで、鉄板に置いて発酵させて焼くので、やっぱり全て同じにするのは、まだまだ難しいなぁと思います。「このような差も一つの個性と思えば多少はOK」と言って頂いていますが、少しずつ技術を上げて良い商品を卸せるように、利用者さんと私たち職員が一丸となって行けたら良いと思っています。
次は 「〝marine blue〟の商品づくり」